2024年7月7日に東京都知事選が衝撃な結末で幕を閉じました。
まだ終了したばかりですが、SNSでは「東京終了」「都知事リコール」といったワードがトレンド入りしています。
今回は「都知事リコール」に焦点を当てて解説していきます。
目次
東京都知事選挙2024年の結果
当選は圧倒的な票数で現職の小池百合子氏が当選しました。
続いて2位に元安芸高田市長の石丸伸二氏、3位に蓮舫氏という結果に終わりました。
今回の知事選はこれまでの選挙のようにテレビや新聞による情報のみでなく、ネットやSNSによる情報拡散によるネット・SNS戦略が大きな鍵を握る新しい選挙の形となりました。
小池氏、蓮舫氏の一騎打ちになると思いきや、蓋を開けてみるとSNSによる支持拡大に成功した石丸さんが2位という結果になり衝撃を受けた人も少なくないでしょう。
リコールとは?
リコールとは?
政治において「リコール」とは公職にある者を有権者の意思により解職すること。それを要求することです。
日本国憲法15条1項で「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と保証しています。
リコールが成立する条件
基本的には対象の自治体の「有権者の3分の1以上の署名」が必要になります。有権者人数の多い自治体の場合は条件が異なります。以下の表にまとめます。
有権者の人数 | 必要な署名 |
通常 | 有権者の3分の1以上 |
40万人以上80万人未満 | 40万人を超える数の6分の1 + 40万人の3分の1 |
80万人以上 | 80万人を超える数の8分の1 + 40万人の6分の1 + 40万人の3分の1 |
複雑ですが、つまり今回の東京都知事選の結果に対してリコールを行うのであれば、「(1153万人ー80万人)×1/8+40万人×1/6+40万人×1/3」万人の署名が必要になり、その数は約153万人に上ります。
さらに署名募集期間には制限があり、政令都市は2ヶ月、その他市町村の場合は1ヶ月に限られます。
リコールが成立するには?
リコールをする手順
リコールを起こすには多くの手順を踏む必要があります。
①発起
発起人は目的、理由を明確にし、署名収集計画を作成します。(発起人は対象自治体の有権者)
②認定
東京都選挙管理委員会に申請し、認定が降りるとようやく正式に署名活動をスタートさせることができます。
③署名活動
先ほど説明した数の署名を集めます。(今回の都知事選の場合は約153万人)
④提出
署名が規定人数分集まれば、東京都選挙管理委員会に提出します。そこで正当なものか審査され、有効か判断されます。
⑤住民投票の実施
署名が有効なものであると認められれば、住民投票が行われます。
⑥過半数の賛成獲得
住民投票で過半数の賛成を得ることでようやく解職することができます。
リコールの可能性
今回の都知事選に対してリコールの声が多数上がっています。ですが解職は現実的にはかなり厳しいでしょう。
小池百合子氏以外の投票数を見ると、署名を集めることは不可能ではないと考えます。
ですが、2ヶ月以内に集めるのは困難である点、その先の過半数の賛成を獲得する必要がある点、過去に東京都知事のリコールが成功した例がないことなどを踏まえると、現実的ではないのではないでしょうか。
最後に
今回の選挙で初めて政治に興味を持ったという若者も多いはずです。
リコール成立の可能性は低いとは思いますが、可能性が全くないわけではありません。
これからの時代のために再度立ち上がってみるのも1つの選択肢なのではないでしょうか。